帰京は土佐日記の一節です。土佐日記は、紀貫之が土佐守の任期を終え、国守の館を門出してから帰京するまでの五十五日間の旅日記です。
タイトル | 土佐日記 |
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ジャンル | 日記 |
作者 | 紀貫之 |
時代 | 平安時代 前期 |
ページ | 高等学校言語文化 P.56-62 |
都に立ち入って嬉しい。
京 | 名詞 |
に | 格助詞 |
入り立ち | タ行四段活用動詞「いりたつ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
うれし。 | シク活用形容動詞「うれし」の終止形 |
家に着いて、門に入ると、月が明るいので、たいへんよく(家の)様子が見える。
家 | 名詞 |
に | 格助詞 |
至り | ラ行四段活用動詞「いたる」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
門(かど) | 名詞 |
に | 格助詞 |
入(い)る | ラ行四段活用動詞「いる」の連体形 |
に、 | 接続助詞 |
月 | 名詞 |
明(あか)けれ | ク活用形容詞「あかし」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
いと | 副詞 |
よく | ク活用の形容詞「よし」の連用形 |
ありさま | 名詞 |
見ゆ。 | ヤ行下二段動詞「みゆ」の終止形 |
(噂で)聞いていたよりもいっそう、どうしようもなく壊れ、傷んでいる。
聞き | カ行四段活用動詞「かく」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
より | 格助詞 |
も | 係助詞 |
まし | サ行四段活用動詞「ます」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
言ふかひなく | ク活用形容詞「いうかひなし」の連用形 |
ぞ | 係助詞 |
こぼれ | ラ行下二段活用動詞「こぼる」の連用形 |
破れ | ラ行下二段活用動詞「やぶる」の連体形 |
たる。 | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
家の管理を頼んでいた人の心も、すさんでいるのだなあ。
家 | 名詞 |
に | 格助詞 |
預け | カ行下二段活用動詞「あづく」の連用形 |
たり | 存続の助動詞「たり」の連用形 |
つる | 完了の助動詞「つ」の連体形 |
人 | 名詞 |
の | 格助詞 |
心 | 名詞 |
も、 | 係助詞 |
荒れ | ラ行下二段活用動詞「ある」の連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
なり | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
けり。 | 詠嘆の助動詞「けり」の終止形 |
中垣はあるものの、一軒の家のようであるので、(先方から)希望して預かったのである。
中垣 | 名詞 |
こそ | 係助詞 |
あれ、 | ラ行変格活用動詞「あり」の已然形 |
一つ家 | 名詞 |
の | 格助詞 |
やうなれ | 比況の助動詞「やうなり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
望み | マ行四段活用動詞「のぞむ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
預かれ | ラ行四段活用動詞「あづかる」の已然形 |
る | 完了の助動詞「り」の連体形 |
なり。 | 断定の助動詞「なり」の終止形 |
そうはいうものの、機会があるごとに(お礼の)品物も欠かさず与えていた。
さるは、 | 接続詞 |
たよりごと | 名詞+接尾語 |
に、 | 格助詞 |
もの | 名詞 |
も | 格助詞 |
絶えず | 副詞 |
得 | ア行下二段活用動詞「う」の連用形 |
させ | 使役の助動詞「さす」の連用形 |
たり。」 | 断定の助動詞「たり」の終止形 |
「今夜は、このような(ひどい)ことだ。」と、(家来たちに大声で)言わせたりはしない。
「今宵、 | 名詞 |
かかる | ラ行変格活用動詞「かかり」の連体形 |
こと。」 | 名詞 |
と、 | 格助詞 |
声高に | ナリ活用形容動詞「こわだかなり」の連用形 |
もの | 名詞 |
も | 係助詞 |
言は | ハ行四段活用動詞「いふ」の未然形 |
せ | 使役の助動詞「す」の未然形 |
ず。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 |
たいそうひどいと思われるが、お礼はしようと思う。
いと | 副詞 |
は | 係助詞 |
つらく | ク活用形容詞「つらし」の連用形 |
見ゆれ | や行下二段活用動詞「みゆ」の已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
こころざし | 名詞 |
は | 係助詞 |
せ | サ行変格活用動詞「す」の未然形 |
む | 意志の助動詞「む」の終止形 |
と | 格助詞 |
す。 | サ行変格活用動詞「す」の終止形 |
さて、(庭に)池のようにくぼんで、水に浸かっているところがある。
さて、 | 接続助詞 |
池めい | カ行四段活用動詞「いけめく」の連用形 イ音便 |
て | 接続助詞 |
くぼまり、 | ラ行四段活用動詞「くぼまる」の連用形 |
水 | 名詞 |
つけ | カ行四段活用動詞「つく」の已然形 |
る | 存続の助動詞「り」の連体形 |
所 | 名詞 |
あり。 | ラ行変格活用動詞「あり」の終止形 |
そのそばに松もあった。
ほとり | 名詞 |
に | 格助詞 |
松 | 名詞 |
も | 係助詞 |
あり | ラ行変格活用動詞「あり」の連用形 |
き。 | 過去の助動詞「き」の終止形 |
(家を留守にしていた)五、六年の間に、千年も過ぎてしまったのだろうか、一部分はなくなってしまった。
五年 | 名詞 |
六年 | 名詞 |
の | 格助詞 |
うち | 名詞 |
に、 | 格助詞 |
千年 | 名詞 |
や | 係助詞 |
過ぎ | ガ行上二段活用動詞「すぐ」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
けむ、 | 過去推量の助動詞「けむ」の連体形 |
かたへ | 名詞 |
は | 係助詞 |
なく | ク活用形容詞「なし」の連用形 |
なり | ラ行四段活用動詞「なる」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
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